きずなカフェ保育の根っこ

今回の保育ドキュメンテーションでは、感性を豊かに表現する活動というテーマで2歳児に焦点をおいてご紹介したいと思います。

保育所保育指針には、2歳児は興味のあることや経験したことなどを生活や遊びの中で、保育士とともに好きなように表現すると記載されています。

感性とは自分の周りに起きている出来事や、日常生活の小さな事柄に反応し驚いたり感動して「価値あるものや現象に気付く」敏感な心のことを言います。
2歳児の子どもたちは、目で見て手で操作しながら様々なことを考えます。自分の体験したことこともよく覚えており、見立てを通して遊ぶ中で、身の回りで起こっていることへの理解を深め、想像力やイメージ力を膨らませていき感性豊かに表現する楽しさを知っていきます。そこで今回は、2歳児の遊びの中で子ども達の感性を豊かに表現できるとされている4つの遊びを紹介したいと思います。






1、クレパスで思いのままに表現する。(なぐり描き)
イメージしたことや感じたことをのびのび表現することから
想像力や創造力が育つとされています。描く活動の中で、
様々な色や形の組み合わせの美しさや面白さに触れる
ことで、豊かな感性や感覚が培われていきます。



2、音楽に合わせて楽しんで身体を動かす。(リズム遊び)
音楽を通して自分の気持ちを表そうとする想像力が働き、それを表現する力が育ちます。音楽を聴きながらそれに合わせて身体を動かそうとすると集中力や瞬発力、リズム感も身に付き自然と感性豊かに自分を表現するようになります。



3、砂に触れ、想像力や創造性を広げながら表現する。
(砂場遊び)

握っては手を開いて砂をこぼし、握ってはまた開く。砂粒の大きさや湿り具合などの砂の感触は、手のひらや指への直接的な刺激を与えます。手は第二の脳とも言われるぐらい多くの感覚神経がはりめぐらされており、この刺激は子どもたちの感覚的感性を大いに高めます。



4、設定を考え、見立てつもりで表現する。(ごっこ遊び)
ごっこ遊びは、心の成長に大きな役割を担っています。誰かの役を演じることでそれまでとは違った視点から物事を捉えられるようになり他人の気持ちを理解し思いやることを学んでいくことが出来ます。役割分担を通じてお友達と楽しく遊びながら社会性やコミュニケーション能力を育んでいきます。










以上、4つの遊びを紹介させて頂きました。どの遊びも子どもたちの想像力やイメージ力、社会性やコミュニーケーション能力を高める為に必要な要素が多く含まれています。
子どもたちはこのような遊びを通して日々、小さなことにも反応し、驚いたり悲しんだり怒ったり喜んだり…を繰り返しています。この経験の積み重ねこそが感性を豊かに表現することが出来るポイントです。これからも、もくれん保育園の子どもたちが感性豊かに様々な活動を友達や保育士と楽しみながら生活できる環境を整えていきたいと思います。




【参考文献】
厚生労働省(2008)『保育所保育指針』
厚生労働省(2008)『保育所保育指針解説書』
笠間浩幸(2001)『砂場と子ども』
片岡徳雄(1998)『子どもの感性を育む』
富田昌平(2012)『子どもとつくる2歳児保育―思いがふくらみ響きあう (子どもとつくる保育・年齢別シリーズ)』
井上勝子(2011)『豊かな感性を育む身体表現遊び 新訂』

(文責:保育スタッフ 山本美波)


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