小1プロブレム解消のためのアプローチカリキュラム
カテゴリー:保育ドキュメンテーション
今年度も残りわずかとなり各クラスでは活動の中で次年度のクラスに向けての準備を行っていき進級にむけて安心、そして期待が持てるように取り組みを行っています。その中で5歳児クラスは春から小学校就学という大きな1歩を歩みます。
いままで通っていた保育園とは一転し大きく環境も変わる小学校。小学校に就学したばかりは集団行動が難しかったり、授業中座り続けることが難しかったりと学校生活に馴染むことが難しい状態が続く小1プロブレムが問題となっております。今まで過ごした場所から変わる事で子ども達がその環境に慣れるまでは時間がかかります。その為、子ども達の育ちを確認しながら小学校での生活や学習を意識した保育を行うアプローチカリキュラムは5歳児後期の小学校接続期において大切になります。アプローチカリキュラムは小学校生活にスムーズに移行できるきっかけとなります。
保育所保育指針には,「子どもの生活や発達の連続性を踏まえ、保育の内容の工夫を図るとともに、就学に向けて保育所の子どもと小学校の児童との交流、情報交流や相互理解など小学校との積極的な連携を図るように配慮すること」とあります。このように小学校との連携を踏まえ、気持ちを就学に向けて期待が持てる様に取り組んでいくことが大切です。
そこで今回は小1プロブレムを解消するため、どのようにアプローチカリキュラムを行っているか紹介したいと思います。
接続期には
・文字、数字の獲得
・自信を高める活動
・時間への意識
・基本的生活習慣の見直し
・小学校との連携
が大切であると考えています。
それでは実際の様子を紹介したいと思います。
文字、数字の獲得では一緒に文字を読むことでひらがなや数字を覚えていき、また4月から取り組んでいる文字ノートでは文字を書くときの姿勢や鉛筆の持ち方から線書き、ひらがなの書き方まで取り組んできています。文字の獲得により絵本を読む際にも字を読むようになったり、気持ちを手紙で書いて伝える姿も見られます。
自信を高める活動では自分に与えられた役割を責任を持って果たす経験を積み重ねることで、自信を持って行動できるようになっていきます。特に当番活動では子ども達が必要とされ、認められたと特に実感できる場となります。その為周囲は「ありがとう」「がんばっているね」等言葉を掛けることが大切です。
時間への意識では時計を見て時間を確認し活動を行っていくことが大切になります。小学校の授業や休憩のリズムに合わせて活動のリズムを作っていきます。また、「○時になったら△△をする」と事前に伝える事で子ども達自身で時間を見て行動する力に繋げていきます。
基本的生活習慣の見直しでは、「食事・睡眠・排泄・清潔・衣服の着脱」を見直していき確実に習得していきます。食事のマナー、周囲の清潔・整頓等再確認を必要になります。特に排泄では就学や公共機関での使用に備え、和式トイレでの排泄を中心に行っています。
小学校との連携では小学生との取り組みを通して小学校への関心を持ったり、実際の授業を見ることで小学生はこんなこともできる、こんなことをしてるという期待を持ちます。また、月に1度小学校に訪問し、遊具で遊ぶことで小学校への関心を持っていきます。お兄さんお姉さんの姿を見て憧れを感じ就学への意欲も高めていきます。
小学校という新たな世界に向かって子ども達がより安心してスムーズになれていけるかはこのアプローチによって変わっていきます。現在では小学校でも、スムーズに慣れていける様にスタートカリキュラムが行われており、幼保小の連携が大切になっています。保育園ではこのような小学校へ意識した活動を取り入れる中で、期待や自信が持てる様に援助していきたいです。
(文責:保育スタッフ 浦田 鈴香)