きずなカフェ保育の根っこ

 

 今回の保育ドキュメンテーションでは食事時間をどのように楽しく、美味しく食べれるよう援助していき、又子ども達が自分で食べる意欲をどう育てていくのかをご紹介させて頂きたいと思います。

 
 保育所保育指針では「第5章 健康及び安全 3 食育の推進」において、保育所に対し、健康な生活の基本としての「食を営む力」の育成に向け、その基礎を培うことを目標とする食育の推進を求めている。つまり、保育所が推進すべき食育とは、「食」を通じた子どもの健全育成であり、「食」を提供する取組はその軸となるものである。したがって、保育所における食事の提供は、食育の一環として、子どもの健全な成長・発達に寄与・貢献するという視点をもち、取り組むことが大切である。と記載されており

 初めての食事がスタートする0歳児にとっては成長に欠かせない物である事と共に人との親密性に深くかかわっていく営みとなり栄養をとるだけでなく、心と心がふれあう瞬間でもあるのです。

 ここからはクラスでの取り組みを紹介したいと思います。




*食べる前の雰囲気づくり

 食べる前にはオムツ交換を行い食事に集中できるようにします。食事前の手洗いは、清潔の習慣を身につけていくとともに、感染症の予防という側面を担っています。そして食事用エプロンを付け今から食事をするんだという事を伝えていきます。その際にも、「オムツ交換してきれいなってご飯たべようね」など語り掛けながら行っています。全員が椅子に座った所で「いただきます」の歌を歌い楽しみながら食事が出来るよう配慮しています。


 
                                *姿勢も大切
       
     個々の発達に考慮しながら、カラー椅子に座り食べていきます。
     背中が開き過ぎている場合はクッションなどを入れ調整しています。
     椅子から床に足が着くようになると椅子に切り替え机に近づき自分で
     食べれるようにしています。


*食べる意欲を引き出す
 
椅子にじっと座れず、食べる意欲がない。噛む事が出来ず、口に入れた瞬間吐き出してしまう。これらは食材の味や固さにまだ慣れていない事のほか、子どもとの関わり方にとまどい、スキンシップが足りない事が原因になっている場合があります。また、食べる機能が未熟な子どもにも適切な援助が必要となります。

・「あーん」と保育者が大きな口を開けて見せ、子どもも同じように口を開ける練習や美味しそうに食べる様子を見せ食べることに気を引かせる。

・周りの友達が食べている姿を見せ「おいしいもの」というイメージを持たせ、苦手なものがある子どもの気持ちは受け止めつつも、周りの友達や保育者に応援してもらいながら一口だけでも食べることから始める。少しでも食べれたら沢山褒めてあげ食べれると褒めてもらえる事を覚え頑張れる要素とする。


                                  *自分で食べる
 
食べさせてもらうからだんだんと自分で食べたい気持ちが芽生えてきます。友達の食事の様子を見ることで刺激を受け、食べることに意欲が生まれます。また、上手に褒める事で自分で食べようという意欲に繋がっていきます。食べ物には種類により噛んだ時の音や舌ざわりがそれぞれ異なります。その時々に伝えると、五感の発達を促進することにもなります。

・食べ物や飲み物は少量ずつ与え、達成感を味わえるようにしています。
コップを持つ、食器を自分で持つ機会も作り自分で食べきれるようにしています。

・あそび食べがはじまりますが、それとなく注意し食事のマナーを伝えます。
散らかしながらも自分で食べるので、食べる様子を見守り、途中から援助し
食べ終えるようにします。

・正しいスプーンの使い方を伝え、自分でスプーンを持ちたい気持ちを
大切にし、そっとスプーンを支えています。

 

食事は人間がいのちを保ち、健康を保つためには欠かせません。生まれたばかりの赤ちゃんは自分で食べる事も飲む事もできませんが、すぐに食事の自立に向けての発育が始まります。食事はなによりも「楽しく、美味しく食べる」ことを心掛けたいですが、子どもたちにとっても初めての事、大きな衝撃に嫌がったり、拒否を示してきます。
 
 そんな時大人はどう対応すべきなのか悩み、戸惑ってしまったり、時に怒りへと感情が変化してしまいます。ですが、「食」は「人を良くする」と書くように、人との親密性に深くかかわっていく営みとなります。
 
 優しく語りかけ、心と心を通わせ、受け止めてもらうことで子どもたちも大きな幸せを感じることが出来ます。そんな子どもたちの食事への第一歩目の時期を大切にし共に学び成長していきたいと思います。

(文責:保育スタッフ 岸本美菜)


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