きずなカフェ保育の根っこ

「自分で」や「いやいや」と自己主張する姿が見られる1歳児。大人とぶつかりあうことがあったり、子どもたちの中でもイライラしたりと難しい時期であります。
今回の保育ドキュメンテーションとして、この1歳児という葛藤の時代を歩む子どもたちのために、大人がどうかかわることが望ましいのかをご紹介させて頂きます。

保育所保育指針には、
歩く、走る、跳ぶなどの基本的な運動機能や、指先の機能が発達する。それに伴い、食事、衣類の着脱など身の回りのことを自分でしようとする。(中略)行動範囲が広がり探索活動が盛んになる中、自我の育ちの表れとして、強く自己主張する姿が見られる。

と記載されており、一人ひとりの心身の状態を把握しながら、発達の援助を行うことが必要とされます。これらのことを踏まえたうえで、少しずつ身の回りのことから一人でできることを増やしていくことが出来るように、また、感情をコントロールすることを学びながら少しずつ社会性を身に着けていくことが出来るように、クラスで取り組んでいます。

取り組みの方法として・・・


1、 まずは自分でやってみる。
着替えの時や食事の時など、いろいろな場面でついつい大人が手を出してしまいがちですが、「~してみよう」と声掛けをしながら少しでも“自分で”できる部分を作り、さりげなく手伝っています。


2、 時には甘えを受け入れる。
少しずつ出来ることが増える一方で、「してほしい」と訴えることもあります。そんな時は頑張ることを少し休憩させてあげ、子どもたちの思いを受け止めるようにしています。気持ちが満たされると、また「頑張ろう」という意欲にも繋がります。


3、 認める・褒める。

頑張ろうとする姿をまず認め、少しでも一人でできたら目一杯褒めたり、出来たことに対して一緒に喜びます。そうすることで、自信や意欲に繋がっていくのです。


上記の3点に重点を置いています。



では、実際の活動を写真で紹介していきましょう。



1、 まずは自分でやってみる。
食事面において、ご家庭では、ついついおうちの方が食べさせてあげるという事が多いのではないのでしょうか。
保育園では、自分でスプーンですくって食べられるようにしていきます。こぼしたり手掴み食べをしながらではありますが、意欲的に食べる姿が見られます。
すくうことが難しそうであれば、スプーンの上に食材を置いておくと自ら口へ運びます。時には声を掛けて手を添えながら一緒にすくってみます。



2、 時には甘えを受け入れる。
「自分で」と強く言い張る子ども達ですが、時には休憩も必要なようです。頑張る一方で甘えたいときもあり、行きつ戻りつなのも1歳児の特徴であります。クラスとして、「してほしい」と訴える、そんな時には子ども達の気持ちを受け止め、手伝うようにしています。そうすることで気持ちが満たされ、「次は頑張ろう」という意欲にもつながるのです。



3、 認める・褒める。
子どもたちなりに一生懸命頑張っていますが、「自分で」と言う割には、正直できないところの方が多くあると思います。ですが、完璧でなくていいのです。“やってみよう”“がんばろう”というその姿を十分に認めてあげることが次への意欲に繋がります。難しいところは、さりげなく手伝ったりしながら、少しでも“自分でできた”という達成感を味わえるようにし、「できたね。やったね。」と褒められることで、自信となり、意欲も高まっていくのです。




「大人がした方が早いから」「大人がした方が上手くいくから」と、ついつい色々なことをしてしまうことがあると思います。特に、食事面では自分で食べることにより、食べこぼしから汚してしまうので、食べさせてあげることが多いのではないのでしょうか。

全て大人がすることで手間や時間がかからず、思うように進めていくことが出来ます。しかし、それでは、子どもたちの自発性や自信、意欲等を奪ってしまうのです。



「できた」と達成感を味わう子どもたちの表情は、とてもキラキラしています。
日々の積み重ねが力となり、楽しみながら全身、手指を使う事で自分をコントロールしていきます。少しずつ出来ることが増えると、ますます成長が感じられ、子どもも大人も互いにいい刺激を受けて笑顔になります。


これからも子どもたちの気持ちに寄り添いながら、見守り、励まし、一緒に色々な気持ちを感じて超えていくことが出来るよう関わっていきたいと思います。



(文責:保育スタッフ 高田里誉)


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