食育コラボ

オトナの食育講座

私たち法人では、年に一度『オトナの食育講座』と題した食育講座を行っています。
講師に『食育推進プロジェクト』で顧問を努めていただいている森真理先生をお迎えしての、約1時間の食育講座です。

私たちの各園では、子どもたちに生涯健やかに健康に過ごして欲しいとの思いから、さまざまな視点からアプローチする体験型の食育を推進しています。それらは各園におけるプログラムですので、対象は子どもたちが主体になります。しかし子どもたちが実際に食べる日々の食事は、大人が調理した料理です。お子さんの健康を考えて一生懸命作られた料理であっても、そこには保護者である大人の長年の嗜好や生活スタイルが影響していると言わざるを得ません。いくらお子さんが好き嫌いなく食べてくれたとしても、場合によってはお子さんの将来の健康を損なうリスクが潜んでいるかもしれないのです。
『オトナの食育講座』は、保護者の皆さんに日々の食事が健康に対してどのような影響を与えているのかを知っていただくことを目的としてスタートしました。

講師の森真理先生は、日夜『ゲノムプラス』という栄養学に取り組まれておられ、その活動をとおして多くの反響を得られています。『ゲノムプラス』とは、栄養の力で病気になるリスクを減らすことができるという考え方によるもので、参加者の皆さんには事前にスポット尿検査を行っていただき、その数値を元に講座に参加していただいています。
尿検査まではちょっとと思われる方でも参加いただけますので、少しでも興味を持たれましたら次回開催時にぜひご参加ください。

スポット尿でナトカリ比を知ろう!


スポット尿検査とは、尿に含まれるナトリウム(塩分)とカリウム(野菜や果物の摂取量)の比率に焦点を当てた検査であり、その比率をナトカリ比と呼んでいます。スポット尿検査によって、その比率を数値として知ることができるのです。
日頃の食事において、皆さん塩分については気にかけておられるとは思います。しかし、実際にどの程度の塩分を摂っていて、それらがどのように健康に影響しているかを知る機会は少ないものです。毎日の摂取量は少しオーバーしている程度であっても、長年の積み重ねが生涯の健康に影響を与えます。塩分の摂りすぎは長期的に見て健康をそこなう恐れがありますが、野菜や果物の摂取量を増やすことで、摂りすぎたナトリウムを体外への排出を促すことができるのです。この考え方は、高血圧予防の新しい健康指標として注目されています。

食育講座の様子


講座では、森先生がスポット尿(ナトカリ比)の話を主として、家庭で実際にどのようなものを食べたらいいのかなど、とても分かりやすくお話してくださいます。
更に、参加者の方々からお子さんの食事の面での悩み事なども聞き出しながら、具体的な栄養バランスについて話をしてくださるので、家庭での食育についての疑問が晴れ、今後の取り組について、多くのヒントをもらったと好評です。


また、具体的な検証として異なる塩分のスープを実際に飲みながら、味覚で理解しながらその違いを知るというプログラムも行われるのですが、職員も含め新しい気付きにつながるとても有意義な時間です。

このような取り組みを通して、園だけでなく家庭にも食の大切さを広げ、お子さんや保護者の皆さんの生涯の健康につながればと幸いです。