きずなカフェ保育の根っこ

11月7日に大阪国際会議場で行われた 特定非営利活動法人 全国認定こども園協会の創立10周年記念「式典・国際セミナー」に、姉妹園のねやがわ寝屋の森こども園 田中惠美園長、田中恵理子教頭と共に参加してまいりました。


平成20年に設立以来、子どもの教育・保育、生活の質の向上や子育て支援の総合的な充実と、そして認定こども園の健全な発展と振興を目指して活動を充実させ、NPO法人となって以降、内閣府・文科省・厚労省の3府省で構成される「子ども・子育て新システム検討会議」「子ども・子育て会議」に参画してきた全国認定こども園協会の10周年を祝う式典ということで、とても大きく立派な会場で行われました。


今回のこの記念イベントは、共催団体に一般社団法人 全国認定こども園研修研究機構と東京大学大学院教育学研究科付属 発達保育実践学センター(Cedep)が名を連ね、また、内閣府・文部科学省・厚生労働省・大阪府・大阪市が後援団体となっているものでした。
記念講演の講師にはイギリスのオックスフォード大学・ロンドン大学教授のエドワード・メルウィッシュ氏を、対談には先のメルウィッシュ氏に加え、東京大学大学院教授の秋田喜代美氏を迎えて行われ、幼児期の教育・保育の大切さについて貴重なお話を聴くことができました。


メルウィッシュ教授は、イギリスにて実施された就学前教育の長期的・縦断的な効果研究や、欧州での乳児期からの就学前保育効果縦断研究などの実施をリードされ、保育の質に関する研究を保育政策につなげる仕事を数多く行ってこられた世界的に著名なエドワード・メルウィッシュ教授は、一貫して、乳幼児期の教育・保育は幸福(well-being)を実現する社会づくりのためのインフラだとも言えるということを様々なエビデンスをもとにお話しされ、大変興味深い内容でした。

多くの調査結果、研究結果を示しながら、例えば神経科学、発達科学、経済学といった多面的な観点から、幼少期に質の高い教育・保育を行うことの意義や重要性にアプローチされ、また、イギリスの長期縦断的な就学前教育の効果研究から導き出された質の高い教育・保育の内容にも触れておられた中で、他との関わりで成長していく子ども達に、さまざまな体験機会を作ること、子ども達が多くの学びを得るには自発的な遊びが大切だが、それは決してただ自由に遊ばせるということではなく、周りの大人が応答的に関わり"やりとり"を多くすることが重要であると語られたのが印象的でした。


今、世の中は大きく変わろうとしていて先の見えにくい未来が待っていますが、そのような中を生きていくことになる子ども達に対し育まなければならない力にも大転換が必要です。
人間形成において重要な時期である乳幼児期の教育・保育に携わる身として、今回のセミナーでの学びを子ども達との日々に反映していけるよう努めてまいりたいと思います。
(文責:教頭 木下 千夏)



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