きずなカフェ保育の根っこ

大阪誠昭会で働く職員は自らを評価し、教育・保育の質を高め、子どもの成長をより豊かにするため「幼保連携型認定こども園教育・保育要領」をもとにして作られた自己チェックリストを用いて「教育・保育」についての分野と「食育・食事の提供」についての分野をそれぞれ年に2回ずつ自己評価を行っています。教育・保育の担い手である保育教諭の資質向上が、教育・保育の質の向上に繋がります。

今年度より、毎年の自己評価の結果を公開していきます。
自己チェックリストでは、単に評価結果を出すだけではなく「個人の評価」「園全体の評価」「園内研修の教材」「カリキュラム・マネジメント(教育・保育計画へのフィードバック)」の4つのポイントで自己の能力を判断すると同時に、園全体として具体的にどのようなことに力を注ぐことが必要なのかもチェックリストを使った評価で見つけます。保育教諭の一人一人の努力を園全体として有効なものとすることで園と職員の評価を高め、教育・保育を豊かにすることに繋ぐことを目指しています。


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令和2年度 成美の森こども園 自己評価 全体統計結果


今年度の園内研修会の中で最も印象的だったものは「なめらかな進級・進学に向けて」の分野です。当法人では、なめらかな小学校への就学に向けて5歳児クラスでの個人机の導入や、文字や数に遊びを通して触れる活動を取り入れています。そのような取り組みをすることで子どもたちが段階を踏んで無理なく就学できる環境を整えています。しかし、そのような取り組みや環境設定は、5歳児クラスの小学校就学に向けてだけでなく、こども園の中での進級でも同じように大切です。

そこで、この分野の研修会を行う上で、各学年の担任にアンケートをとり、より会を有意義なものにできるように計画を立てました。アンケートの内容としては、子どもの発達の連続性を考慮した上で進級前までに習得しておくべき生活習慣やクラスとしての取り組みなどです。そのアンケート結果をもとに、0歳児から5歳児、またその先の小学校就学に向けて全学年がなめらかに進級していくため、全体で全学年の年度末の目標をどこに設定して教育・保育を進めていくべきかを今一度話し合って確認し、共通認識を持てるようにしました。


食事面を例に挙げると、まずは自分で食べたいという意欲を大切にした手づかみ食べから、スプーンでの食事、お箸への移行に向けてのスプーンの下手持ちから、お箸に挑戦していきます。お箸でも年齢があがるごとに持ち方を意識していき、お皿を持って食べこぼしをせずに食べられるようになっていきます。また、主食、汁物、主菜、副菜など給食時の並べ方も意識していきます。食事面だけでもこれだけの発達段階があり、それぞれの年齢での目指す姿は違います。
他にも、基本的生活習慣(衣服の着脱・排泄・身の周りの整理整頓など)や返事、自分の気持ちを言葉で表現することなどたくさんの項目で話し合いを行いました。

認定こども園が行う教育・保育が、小学校移行の生活や学習の基盤になることを念頭において「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿」を目標に、子どもたちの教育・保育に携わっています。このような園内研修会を通して、こども園の進級と小学校進学をなめらかに接続していけるよう努めています。



そして、園内研修会で行った内容は職員の更衣室の壁に掲示し、日頃から意識を持って教育・保育を展開できるようにしています。今後も評価結果に基づく職員勉強会を行い、教育・保育の質の向上につなげていきたいと思います。

(文責:保育リーダー 萩尾紗帆)


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